
新宿のとある酒場で。
働き盛りといわれる30代、誤解を恐れずに言えば、僕の生活は3つのもので成り立っていました。すなわち、カフェイン(ブラックコーヒー)、ニコチン(ハイライト)、アルコール(酒精全般)です。今から考えると、ゾッとするほど不健康な毎日でした。仕事もたくさんしましたが、その分ストレスもたくさん感じていたのでしょう。
たとえば、夜取材から戻ると、近くの定食屋やラーメン屋で、「とりあえずビール」からスタートして、あれこれつまみながら、日本酒や紹興酒へ。編集者やライター仲間とわいわい騒ぎながらタバコをスパスパ。そのまま朝まで酒場を渡り歩くこともあれば、2時間ぐらいで切り上げて仕事場に戻り、ネスカフェをブラックで何杯も飲みながら、明け方まで原稿書きということも。深夜だけでもハイライトを2箱は吸うほどのチェーンスモーカー。で、どちらにしろ、ソファに倒れ込んで3時間ほど泥のように眠り、また取材に飛び出す…。本当にめちゃくちゃでした。
それなのに、大きな病気もせずに馬齢を重ねていったのは、たまたま運がよかったのと、へんに体力があったからでしょう。もう一度あれをやれと言われても、したくもないし、ぜったいにできませんね。
当時の僕にとって3種の神器(悪魔の器)だった「カフェイン、ニコチン、アルコール」のうち、最初に卒業したのはニコチンでした。ある日、なんとなく、人生これでいいのか?と自省しているうちに、「そうだ、タバコぐらいはやめよう」と思いたったのでした。それまで禁煙など一度もしたことがなかった僕でしたが、たいした決意もなく「やーめた」とタバコをゴミ箱に捨てました。
1週間、2週間…ニコチン中毒を患っていると疑いもなく思っていましたが、不思議に禁断症状も起きませんでした。そして、その時から一本のタバコも吸っていません。やればできるじゃん、というより、ニコチンってたいしたことはないな、というのが実感です。世間では、タバコがやめられないで苦労している人が多いようですが、「禁煙」という漢字に象徴されるように、へんに自分を律しようとするからいけないのであって、もっと楽にやめればいいんですよ、きっと。
で、次が「カフェイン」ですね。コーヒーや日本茶からカフェイン・レスのマテ茶にシフトすることで、大幅にカフェイン摂取量(?)は減りました。カフェインもなければないで、平気ですよ。これまた、信じてもらえないかもしれませんが、その程度のものですって。要するに、ニコチンにしろカフェインにしろ、雰囲気で摂っているだけ、「生活(生きる活動)」には必要のないものなのです。
あと残るは、アルコールだけですが、うーむ、これをやめるのはもう少し先ですね。老後の愉しみにとっておきます。あまりにストイックになるのも考えものですからね。
スポンサーサイト