4月24日、25日に赤坂サカスで開かれる「オーガニックフェスタjn東京2010」に、「フェデリコ・マテ」も出展することになりました。今年で7回目を迎えるこのフェスタは、オーガニック食品だけでなく、オーガニック・コスメ、オーガニック・コットンなどが一堂に会する一大イベント。この機会に、オーガニック・マテ茶のおいしさを一人でも多くの人に知ってもらいたい、そんな思いで準備を進めています。
ところで、オーガニック・コットンについて、みなさんはどれほどご存知でしょうか? 実はコレ、かなり深い問題を含んでいるのです。
NPO法人日本オーガニック・コットン協会のHPによれば、現在、世界の耕作面積の約2%でしかない綿の栽培に使われる殺虫剤、化学肥料、除草剤、枯葉剤などの化学薬品は、世界の使用量の20数%にも上るんだそうです。また、綿は農薬集約型農産物で、灌漑によって地下水をくみ上げることで収量を増やすから、地下水の枯渇も大きな問題になっている。遺伝子組み換えの種の使用という問題もある。学校にも行けない子供たちが労働者として借り出されることで成り立っている綿の栽培の現状は、発展途上国においては人権問題ににもなっている。
さらに、それを糸にして生地にして製品にする工程においても、効率を追い求めれば薬品に頼ることになるから、そこでも環境にダメージを与えることになるわけです。
一般に土中から農薬の影響が消えるのに約3年かかるといわれていることから、オーガニック・コットンとは、「3年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花のこと」。さらに、綿は、紡績、織布、ニット、染色加工、縫製などの製造工程を経て、最終製品となりますが、この製造全工程を通じて、化学薬品による環境負荷を最小限に減らして製造したものをのみ、オーガニック・コットン製品と呼んでいるのです。
綿畑というと、ふと思い出すシーンがあります。北方謙三の初期のハードボイルド「いつか時が汝を」(徳間文庫)の冒頭。アメリカ南西部の町ジャクソンで、照りつける太陽の下で雪が降る。夏の雪…そう見えたのは、弾けた綿の実だった。確か、そんな激烈な描写でした。
あるいは、アメリカ南部の綿プランテーション(コットン・ベルト)の歴史は、黒人奴隷の歴史そのものとも言えるでしょう。フォスターの作った「オールド・ブラック・ジョー」の世界。僕が、綿というものにどこか哀愁を感じてしまうのは、そんなさまざまな連想からかもしれません。
フェデリコ・マテのリラックス(レモングラス入り)を飲みながら、オーガニック・コットンについてちょっとだけ考えたのでした。