「しゅってん」と言われても、最初はピンとこなかった。「出典?」なわけはないか。だったら「出店?」か。でも、店を出すわけじゃないしなあ。新米営業マンは、こんな「業界用語」すら知らないのでした。まあいい。とにかく、フェデリコ・マテの試飲をしてもらえることになったのだから、さっそく準備に取り掛からねば、てな調子。
ほとんどのみなさんは、すでにおわかりでありましょう。「しゅってん」とは「出展」と表記して、催し物会場にブースやテーブルを確保して、商品の「展示」をすること。おいおいこんなんで大丈夫か、僕。
なにはともあれ、3月16日火曜日、品川にあるホテルパシフィック東京で開かれた東京B.M.C.の例会に、初めての「出展」をしました。最近知り合ったN女史から「なにごとも経験。とにかくやらなくちゃだめ。私が手伝ってあげるから」と尻を叩かれての出撃。ちなみに東京B.M.C.というのは、「東京ホテル宴会支配人協議会」の略称で、東京を代表するホテルマンたちの情報交換の場にもなっている歴史ある会合なのです。会場の一角にテーブルを貸してもらって、マテ茶の試飲サービスをする。ホテルだけに、ポットやグラスなどは用意していただけたので、ずいぶんと助かったけれど、なにしろ初めての「しゅってん」だから、緊張しまくり。なんだかわからないうちに2時間が過ぎていました。
サンプルのティーバッグと名刺をホチキスでパチンととめたパンフレットを試飲してくれた方にそっと手渡し、精一杯マテ茶の魅力をPRした(つもり?)。
「これはハーブティーですか?初めて飲みました」という方がほとんどのなか、「昔、よく飲んだぞ」という御仁が。日本ブライダル事業振興協会専務理事のN田さんで、海外青年協力隊の初代隊長で南米やアフリカを飛び回っていたんだそうな。貴重なお話ありがとうございました。
当日は兵庫県宝塚市に本社のあるお花屋さんも出展していて、こちらは気品あふれるブリザーブドローズの展示でした。名刺交換をしながら、どこかで、この出会いが生きるといいなあ、と願わずにはいられませんでした。
出展初体験は、僕にとって、どちらかというとほろ苦いものでした。ああすればよかったか、こうすれば違っていたか…。
フェデリコ・マテのピュアを飲みながら、沈んでゆく気持ちを必死に留めつつ、明日に誓うのでした。